高校・大学入学


アメリカの高校では、単に授業を受けるだけでなく、卒業して大学に進学するために、様々な条件や規定を満たし、良い成績を修め、課外活動(Extracurricular Activity)にも積極的に参加することが求められます。その上、大学入学に必要なテスト(SAT)の勉強も必要なので、高校4年間をいかに有意義に過ごすかが、大学だけでなく、その後の人生を決めると言っても過言ではありません。

 

  • 日本の高校を卒業した人・アメリカの大学に行ったことがない人
    永住権や就労できるビザを持っていない人は、学生ビザなどを取得する必要があり、留学生(International Student)としての手続きとTOEFLなどのテストのスコアが必要になる。永住権や就労ビザ(配偶者も含む)があり、その州に1年以上居住していることを証明できる場合は、レジデントの資格があるので、公立大学の学費は安くなる。日本の高校の成績表(transcript)やTOEFL等のスコアは提出しなければならない。
     
  • アメリカの高校を卒業した・する人
    通常、願書とともに、成績表、SATまたはACTのスコア、スポーツや音楽、ボランティア活動・アクティビティの経歴、そして自己アピールのエッセイ(Personal Statement)などを提出する。入学要項は毎年変わるので、在学中は必ず学校の進路指導のカウンセラーに相談しながらコースを決めよう。ただ、カウンセラーはたくさんの生徒を抱えすぎていてあまり助けてくれないという声も多い。その場合は、行きたい大学のAdmission担当のカウンセラーにも相談すると良い。くれぐれも、インターネット上のフォーラムなどの経験者談だけを鵜呑みにしないように。毎年変更もあるし、ケースバイケースであることのほうが多い。

 

大学のシステムに似た単位制

単位(Credit)制を取っていて、卒業するためには9年生から12年生の間に数学、英語、科学など各教科(Subject Area)ごとに定められた最低単位を修めなければならない。1年間に取得できる単位数は決まっているが、学校以外でもサマースクールや放課後の活動(Community Services)などで単位を稼ぐこともできる。 

 

様々な種類・レベルのクラスとGPAの重要性

クラスは卒業後の進路(大学での専攻)を考えて選択し、各自が学校のアカデミックカウンセラーと相談して決め、登録する。生徒数の多い高校では、クラス定員数が満員になる前の登録が必要となるので、タイミングよくアカデミックカウンセラーとアポイントメントを取る必要がある。通常レベルのクラスの他にHonorsやAP(Advanced Placement)がある。これらのクラスは通常のクラス(Regular)よりも少人数で内容が難しくなる。APクラスは大学レベルとされ、APクラスを取り、AP Examという試験で一定のスコアを修めると、AP Examを受理している大学では幾つかの講義が免除される。GPAとは、通常ABCDFの5段階で付けられる各クラスの成績をA=4, B=3, C=2, D=1, F=0に換算した平均値だが、HonorsやAP(Advanced Placement)の場合はA=5, B=4, C=3, D=2 として計算される。例えば3つ普通のクラスの成績がA、B、Bで、1つHonorsのクラスがBならばGPAは(4+3+3+4)/4=3.5となる。

 

卒業に必要なテストExit Exam

カリフォルニア州では、2006年6月以降、卒業予定の公立高校の生徒全員に「California High School Exit Examination(CAHSEE)」の合格を卒業条件に加えた。試験科目は英語と数学で、それぞれに合格しなければならない。数学は、「Algebra I」までの分野から出題され、英語は10年生までの内容で、選択問題と作文問題が出題される。 
cahsee.cde.ca.gov/

 

アメリカの高校は自立心を育てる

決して容易でない大学受験のプロセスを全部お膳立てする親もいるが、基本的にはすべて生徒が自分で行う。GPAの数値を高く保つこと、推薦状を書いてもらう教師との人間関係、課外活動、SATの勉強、部活、そして交友関係など、高校の4年間を実り多いものにするために成さなければならないことはたくさんある。しかも、アメリカの高校には、学級も学年担任もホームルームもない。すべては自己管理にかかっているが、学校からの連絡事項や成績は保護者に直接郵送されるため、陰で怠けたりもできない。アメリカの高校とは、「自由と責任」の本当の意味を生徒たちに体験させる場である。

 

大学入学準備 College Application

アメリカの大学への入学プロセスは、通った高校とビザのステータスによって異なる。アメリカの高卒の場合、有名4年制大学や人気の専攻・学科に入りたい場合は、高校の成績、内申、アクティビティなどが重視されるので、長期的なプランと準備が必要だ。

4年制大学へ願書を出すための準備 : アメリカの高卒編

1.成績表・GPA

入学許可の一番の決め手となるのは高校の成績の平均点であるGPA(Grade Point Average)。通常10年生から12年生の前学期までの成績を中心に判断される。ただし、まずはその高校の卒業に必要な単位を取得しているか、取得予定であることが前提で、かつ、大学の必須科目としているクラスを卒業の時点までに終えている・終える予定であるということを証明しなければならない。また、高校で必須科目となっていても、GPAのカウントの対象になるクラスとそうでないものがあるので、必ず確認しよう。もしレジデントでない場合は、大学によっては求められるGPAがレジデントよりも高い場合があるので注意。

  UCシステムの必須履修科目例 / a-g courses
  *合計15コースで、そのうち11コースは12年生(senior)になる前にとっておかなければならない。

  • 歴史・社会学 History/Social Science 2年
  • 英語 English 4年
  • 数学 Mathematics 3年
  • 科学 Laboratory Science 2年
  • 外国語 Language other then English 2年
  • 美術・芸術 Visual and Performing Arts 1年
  • 大学進学用の選択科目 College-preparatory Elective 1年
    *通常1年=2学期

 

2.SAT/ACT受験

日本でいう全国模試のようなものだが、このスコアがそのまま大学入試での合否基準のひとつとなる。数ヶ月に一度、最寄りの高校等で週末行われる。たいてい、SATかACTかどちらかを選んで、スコアは最低1つあればよい。ただし、一度受けた点数によっては、別のテストを試したり、同じテストを受けることもある。

SATテストの内容は、大きく分けると2つあり、スタンダードのテストと科目別のテストがある。スタンダードは必須だが、科目別は、専門的な学科を希望する場合、必須であったり、受けておいた方が有利になる場合があるので、希望の大学要項をチェックしておこう。 

  • スタンダード Standard
  • 読解力 Critical Reading Skills
  • 数学 Math Problem-Solving Skill
  • 作文 Writing Skill
  • 科目別 Subject Test
  • 文学 Literature
  • アメリカ史・世界史 U.S. History / World History
  • 数学1/2 Math Level 1 / Level 2
  • 生物学 Biology / EM
  • 化学 Chemistry
  • 物理 Physics
  • フランス語・ドイツ語・スペイン語・ヘブライ語・中国語・日本語・韓国語
    French/German/Spanish/Hebrew/Italian/Latin/Chinese*/Japanese*/Korean*
    *はヒアリングテスト付きのみ 

それぞれが最高800点で、スタンダードは3つで合計2400点。この点数が選考の参考になり、だいたいどのレベルの大学に合格するかの大まかな見当がつけられる。ただし、ほとんどの大学ではGPAを重視しスコアはあくまでその次といわれており、どんなにスコアが高くても、高校の成績があまりよくなければ不合格になる場合もある。Cappexのような大学情報サイトでは、合格者のGPAとテストスコアとの関係をグラフで見ることもできるが、スポーツや特殊技能で入学を許可されることも多いので、あくまで参考としてみた方が良いだろう。

受験する時期としては、まず10-11年生のときにPSAT/NMSQTというSATの予行練習のようなテストを学校で受ける機会があるので、まずはそれを受けてから、さらに練習・勉強をしたあとに受けるのが良い。あまり早く受けすぎても、習っていないものがあったりするし、州立大学は願書の申し込みの締め切りが12年生の10月ごろで、スコアの受付の期限なども発表されるので、最後のテストはその頃までに受けよう。科目別のテストは頻度が少ないので、スケジュールの確認を早めに。申し込みは、College Boardというサイトで、オンラインで希望の日程と場所を選び、支払いも済ませると、写真付きEチケットが発行される。それを印刷して試験会場に持っていく。あくまで自分ですべての手続きをするので、学校や先生が手伝ってくれるものではないので注意。2週間ほどでスコアが発表され、オンラインで閲覧できるようになる。スコアは登録した大学に自動的、または手動で送ることができる。通常、3つのスコアをあわせたもので判断されるので、一番良いものを送ることが多いが、あまりに低いものなどがあるとデメリットになる場合もあるので、どのスコアを送るかはよく考えなければならない。また、奨学金の申請も兼ねる場合、悪いスコアも含め、今まで受けたものすべてを送らなければならない場合もあるので、受験するかしないかも慎重に。しっかり勉強してから受ける方が良い。

 

大学選びのコツ

学校を選ぶ基準は、場所、ランキング、専攻、教授陣、設備など、さまざまなことを比較しながら決めるが、アメリカの高校生は、通常8-20の願書を出すといわれている。成績や特殊能力によっては、大学から学費や在学中の生活費の全部・一部を免除するオファーがあることもあり、ファイナンス的なことも大きな決め手になることもあるので、自分が行きたいだけでなく、自分を高く評価してくれそうな大学を見つけるためにたくさん応募する場合もある。ただ、そのためだけに選んだ大学や専攻では、卒業まで続かないというデータもあるので、やはり本当に自分がやりたいことをあくまで大前提に選ぶのがよい。リサーチのリソースは、それぞれの大学のサイト、スクールカウンセラーはもちろん、College BoardやCappexなどもたくさんの情報ソースがあるので、納得いくまで調べよう。また、こういうサイトにユーザー登録をすると、ニュースレターで大学情報やセミナー、オファーなどがくる場合もあるので活用すると良い。

  • 公立か私立か
  • 何を専攻したいのか
  • アカデミックの評価
  • 学校の規模・設備
  • 学生寮の有無
  • ロケーション
  • 校風
  • 学費

学費も重要な選択基準の一つとなる。奨学金プログラムなどもあるが、基本的にはアメリカ国籍の生徒が優先であり、留学生には限られた枠しかない。また、多くの州立大学では州外からの学生、国外からの学生に一般学費とは別に Out of State Fee(州外、国外からの学生に課せられる追加料金)を払わせる。アカデミックカウンセラーや、学校内のキャリアセンターの担当者に相談してみるとよい。

  大学選びに役立つサイト

 

4. エッセイを書く Personal Statement

エッセイの内容は、たいてい自分について、何を学びたいかなどを500語程度で書くものが多いが、大学によって細かい指定があるので、必ず各校の要項を確認して、すべての指示に従っているか、漏れがないかを念入りにチェックしよう。GPAやスコアが低くても、エッセイの内容で合格したサクセスストーリーもあるので、手を抜かないで、がんばってみよう。書いたら必ずスペルチェックをして、英語の先生や文法に強い人に校正を依頼すること。

 

5. 願書を出す Application

入学願書の受付期間は、州立はUC/CSUシステムごと、私立は大学ごとに異なる。申請費用は大学により100ドル前後。11年生のうちにだいたいどの大学が何月ごろかを調べておき、12年生になる前の夏ごろには正式な日程も発表されているはずなので、確認しておこう。ちなみに、CA州立は通常9-10月から受付が始まり、10-11月が締め切りとなる。私立は比較的受付期間が長く、また締め切りも遅いケースが多い。

 

6.学資援助の申請 Financial Aid

学費だけでも年間で1万ドルから5万ドル近い大学もあり、年々高騰している。卒業し就職した後も何年も学生ローンの返済を続けている若者が増加していることが社会問題にもなっている。成績やアクティビティなどで優れていたり、うまくやりくりすると奨学金や補助金などの学資援助(ファイナンシャルエイド)を利用して、負担を減らすことも可能だ。学校で良い成績を収めること、自分の得意分野の能力を延ばすこと、それを継続すること、そしてたくさんのリサーチと行動力によって何万ドルを節約することもできる。

  • 補助金 Grants (Federal Pell Grant, Cal Grant, UC Grantsなど)・・・資格が満たされればもらえる補助金。返済不要。
  • 奨学金 Scholarships・・・返済するものと一定条件のもと返済不要のものがある。
  • 学生ローン Student Loans・・・安めの利子で卒業後(または退学後)から返済が開始されるローン。
  • ワークスタディ Federal Work-Study
  • 大学費用の算出方法

    奨学金・補助金リソースサイト Fastweb www.fastweb.com/

 

FAFSA/Cal Grant

FAFSA(Free Application for Federal Student Aid)は、アメリカ政府による大学費用の資金援助のための財源(ファイナンシャルエイド)を適切に配分するための機関。オンラインで申請書に親や本人の(財産や収入、前年度の年末調整情報など)を記入して提出すると、各家庭が負担するべき費用EFC(Expected Family Contribution)が計算される。その差額に対し、ファイナンシャルニーズが認められると、その補助金等が与えられる。申請は無料。大学の願書を出し終わった1月から受付が始まり、3月初めに締め切られる。年末調整の情報が必要なので、できるだけ早めにタックスリターンを終わらせてしまおう。

 

学費の計算

各大学のファイナンシャルエイドのページに、どのくらい資金援助を受けられる可能性があるかを見積もるフォームがあるので、利用してみよう。扶養家族の場合、親と自分の収入、最新の税金支払額、その他の財産、親の結婚ステータス、家族の人数、大学に通う家族の人数、居住している州、入学後の住まい(On-Campus(寮など)/Off-Campus(賃貸アパート等)/Commuter(自宅通学))などの情報を入力すると、それをもとに政府の補助金額が計算され、大学費用の合計からそれを引いた額が、自分と家族で工面しなければならない金額となる。

例)

家族・自己負担 EFC(Expected Family Contribution)
学生負担 Student Contribution  $ 0
親の負担 Parent Contribution    $ 10,000
________________________________________

家族・自己負担                         $ 10,000

 

補助金 Estimated Award

政府の補助金     Grant $ 5,000
その他の補助金*   Self Help $ 10,000
親からの補助金  Family Help $ 10,000
*奨学金、学生ローン、ワークスタディなど

 

大学費用(年間) Estimated Total Price of Attendance

学費 University Fee                     $ 15,000
部屋・食費 Room & Board           $ 9,500
教科書・教材費 Books & Supplies $ 1,500
交通費 Transportation                 $ 1,500
私費 Personal                             $ 1,500
健康保険 Health Insurance           $ 1,500
ローン手数料 Loan Fee                $ 500
________________________________________

大学費用合計                                 $ 30,000

 

補助金                                          $ 5,000
________________________________________

自分と家族で工面する大学費用         $ 25,000



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